Caldiology
質の高い生活を維持するためには、心臓や血管の病気を予防し、治療することが大切です。当科では経験豊富な専門スタッフが、適切かつ最新の医療を提供しております。
冠動脈カテーテル治療(バルーン、ステント、ロータブレーター、DCA)、経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)、経カテーテル的僧帽弁形成術、左心耳閉鎖術、卵円孔閉鎖術、先天性心疾患カテーテル治療(心房中隔欠損症、動脈管開存症)、大血管・末梢血管カテーテル治療(EVAR、TEVER、EVTなど)、ペースメーカー植込み術、植込み型除細動器植込み術、リードレスペースメーカー植込み術、皮下植込み型除細動器植込み術、ループレコーダー植込み術、カテーテルアブレーション(高周波アブレーション、冷凍凝固アブレーション)、経皮的心室中隔焼灼術(PTSMA)、経皮的僧帽弁交連切開術(PTMC)、下大静脈フィルター留置術、血管内異物除去術など
心不全、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、心臓弁膜症、心筋症、不整脈、先天性心疾患、心臓腫瘍、血栓塞栓症、高血圧症、高安動脈炎、心臓サルコイドーシス、その他の生活習慣病など
ACCU(Advanced coronary care unit)は我が国での黎明期から整備されており、その臨床実績は高く評価されてきました。あらゆる心疾患を断らないという開院当初からの伝統を引き継ぎ、急性心筋梗塞、急性大動脈解離、急性左心不全などを受け入れております。心内留置型ポンプカテーテルを導入し、重症心不全にも対応しています。東京都CCUネットワークや大動脈スーパーネットワークでは、多数の症例を受け入れる中核病院として機能しております。
5つのカテーテル検査室を有し、年間5500件程のカテーテル検査・治療を行なっております。冠動脈に対するカテーテル治療は年間1000件程度行なっており、その他、弁膜症や心筋症に対するカテーテル治療、小児科および成人先天性心疾患領域のカテーテル治療が多いのも特徴です。また大血管や末梢血管に対する治療、不整脈に対するカテーテルアブレーションやデバイス植込み治療も多数行なっております。カテーテル検査室にはハイブリット室が併設されており、経皮的大動脈弁置換術(TAVI)などのstructural heart diseaseに対する治療では、実績を上げております。
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「カテーテル治療を知る」 TAVI/TAVR・MitraClip・WATCHMAN・心房中隔欠損治療・卵円孔開存治療・動脈管開存症治療
CT(2X線管型128列マルチスライスCTを含む)、MRI、核医学検査(半導体検出器D-SPECT装置を含む)などの装置を用いて、非侵襲的画像検査を多数施行しております。3Dやダイナミックな評価も行い、弁膜症や心筋症の評価では優れた成績を上げております。
当院は心臓弁膜症の外科手術やStructural Heart Diseaseに対するカテーテル治療を積極的に行っており、心エコー室はその診断、治療方針の決定、および治療のガイドとして心エコー図検査を行い、心臓疾患診療のチーム医療の要となっています。検査室や手術室で最新鋭の機器を用いて包括的経胸壁心エコー図検査、リアルタイム3次元経食道心エコー図検査や運動負荷心エコー図検査を施行しており、年間約17000 例の経胸壁心エコー図検査、約1400 例の検査室での経食道心エコー図検査、約400 例の術中経食道心エコー図検査を施行しています。
専門チームによる回診、カンファレンスを通して、再発予防の方法、最適な治療方針の決定を行なっています。専門職員による栄養指導やリハビリテーションの指導、患者さんや患者さんのご家族にも勉強会などを行なっております。特に閉塞性肥大型心筋症に対しては、カテーテル治療や外科的治療を積極的に行なっており、海外の医師の研修なども受け入れています。
心臓リハビリテーションは、術後早期から外来でのリハビリテーションまで、年間1300名ほどの患者さんへの包括的な介入を実施し、ご紹介いただいた病院やクリニックの先生方から厚い信頼をいただいております。また患者さんのQOL維持・向上に優れた成績を上げております。
心房細動に対するカテーテル治療ではバルーンを使用した新しい方法を取り入れ、良好な成績を得ています。
徐脈性不整脈に対するペースメーカー植込みや、致死性不整脈に対するICD植込み、重症心不全症例に対する両心室ペーシング治療(CRT)も多数行なっております。これらのデバイス治療のフォローアップには遠隔モニタリングを積極的に活用しております。さらにリードレスペースメーカーや完全皮下植込み型除細動器(S-ICD)などの最新技術も導入しております。
肥大型心筋症の正確な診断から効果的な薬物治療、治療抵抗性の閉塞性肥大型心筋症(HOCM)への最新の中隔縮小治療として、経カテーテル治療(PTSMA)と外科的中隔心筋切除術は国内最大の実績と有効性を示しています。画像診断、心臓リハビリテーションや臨床遺伝のチームと協力して「肥大型心筋症センター」としての米国基準を満足する本邦唯一の部門です。
免疫疾患として心臓や血管が侵される病気があります。比較的発生頻度の少ない疾患ですが、さまざまな臓器の症状が重なり、患者さんは複数の診療科を受診されることもあります。心臓血管系の病変の診断はしばしば難しく、長期間にわたって診断がつかないことも珍しくありません。
当院では特に高安動脈炎と心臓サルコイドーシスの診療に力を入れています。公的ガイドラインの作成も当院の医師が中心になって行っています。両疾患とも画像診断、免疫抑制治療、心臓血管外科治療が必要ですが、当院では多診療科が一丸となって患者さんの内科治療、外科治療診療を行っています。いずれも早期診断、早期治療によって回復が見込める疾患です。
高安動脈炎と心臓サルコイドーシスの診断と治療について、下記のリンク先でお読みいただけます。
など
循環器内科 医長
Kenichi Hagiya
循環器内科 医員
Mai Terada