Clinical engineering
医療現場では高度専門化した医療機器が多数使用されていますが、臨床工学科は、医師の指示のもと、生命維持管理装置等の操作や保守管理を行うことを業務としています。生命維持管理装置とは、呼吸、循環、代謝の一部を代替し、または補助することが目的とする装置のことで、人工心肺装置、補助循環装置、血液浄化装置、ペースメーカなどがあります。
当院の臨床工学科は、次の基本理念をもって、医療現場に安全・安心を提供できるよう努めます。
スタッフ構成(2023年8月現在)
・臨床工学技士 常勤38名
・手術室:13名 集中治療室:4名 心臓カテーテル検査室:11〜12名
不整脈デバイス:2〜3名 ローテーション:5名 管理職:2名
保有資格
・体外循環認定士・・・10名
・透析技術認定士・・・7人
・臨床ME専門認定士・・・5人
・人工心臓管理技術認定士・小児体外式・・・1人
・心血管インターベンション技師(ITE)・・・3人
・CDR・・・6人
・植込み型心臓デバイス認定士・・・3人
・ 3学会合同呼吸療法認定士・・・11人
手術室では、心臓や大動脈手術の際に必要となる体外循環を担当し、年間約1000件(成人:650件、小児350件)の症例に携わります。4部屋の手術室、1部屋のハイブリッド手術室があり、平均して一日あたり成人4例、小児2例の手術が行われます。緊急手術に備え、待機2名と当直1名(集中治療室業務兼務)が、24時間365日対応できる体制を整えています。
当院の体外循環技士は、先天性、後天性、大血管、MICS、他院で手術を受けられた方の再手術等、さまざまな手術に対応可能な技術と知識、経験を兼ね備えており、チーム医療のメンバーの一員として、陰ながら患者さんに最高水準の技術を提供できるように心がけています。
全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome:SIRS)の大きな割合を占める、体外循環による全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome after bypass:SIRAB)の対策にも積極に取り組んでおります。
他施設との情報交換や、臨床現場で働いている方の見学も随時お受けしております。
分類 |
名称 |
保有台数 |
人工心肺装置 |
S5(LivaNova) |
3 |
HAS-Ⅱ(泉工医科工業) |
1 |
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HAS-Ⅲ(泉工医科工業) |
1 |
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APS-1(TERUMO) |
1 |
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心筋保護装置 |
CP4000(テクノウッド) |
3 |
CP4000 Neo(テクノウッド) |
2 |
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改良型PCPS |
SP-200(TERUMO)+ローラーポンプ別機搭載(テクノウッド) |
1 |
自己血回収装置 |
エクストラ(LivaNova) |
5 |
小児ECMO装置 |
HAS-Ⅱ(泉工医科工業) |
2 |
心臓カテーテル検査室では、カテーテルと造影剤を用いて、心臓構造や血管、心臓の調律の状態を調べ、治療を行っております。検査室は5部屋(ハイブリッド手術室は1部屋含む)あり、年間約5000件の検査と治療が行われています。私たち臨床工学技士は、そのすべての治療と検査に携わります。24時間365日緊急の患者さんに対応すべく、臨床工学技士1名が検査室に常駐しております。
心臓カテーテルにおける臨床工学技士の業務は多岐にわたり、冠動脈疾患、成人心臓構造疾患、カテーテルアブレーション、不整脈デバイス(PM、ICD、CRT-D、CRT-P)、先天性心疾患、心臓手術前の術前検査などに携わります。
診断検査と経皮的冠動脈インターベンションでは、ポリグラフ、FFR、デバルキングデバイスなどの操作を行います。
不整脈治療では、心臓カテーテル検査室でのカテーテルアブレーション業務(Lab System、Stimulator、CARTO、EnSite、RHYTHMIAの3D mappingの操作)、不整脈デバイスは植込み手術中の操作、外来と病棟での定期チェックを行っており、遠隔モニタリング業務にも積極的に介入しております。
補助循環装置(IABP、PCPS、IMPELLA)も多数保有しており、IABP、PCPSの一般的な使用から、重症心不全に対する補助人工心臓(IMPELLA)業務も行っています。
分類 |
名称 |
保有台数 |
ポリグラフ |
RMC-5000(日本光電) |
5 |
3D Mapping | CARTO(J&J) | 2 |
EnSite(Abbott ) | 2 | |
RHYTHMIA(Boston) | 1 | |
Aqumap(Acutus Medical) | 1 | |
FFR |
VOLCANO(PHILIPS) |
2 |
OptoMonitor(XEMEX) |
1 |
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QUANTIEN(Abbott) |
2 |
|
Polaris(Boston) |
2 |
|
プログラマー |
Medtronic |
3 |
Abbott |
2 |
|
Boston |
1 |
|
Biotronik |
1 |
当院では2019年9月からモービルCCUが稼働しており、臨床工学技士は補助循環管理中や人工呼吸管理中の患者様の病院間移動に同乗し、移動中の安全管理を行っています。また、救急車(モービルCCU)に車載している医療機器、医療ガスの管理、点検を日常的に行っています。
MEセンターでは、人工呼吸器、除細動器、生体情報モニタ、輸液ポンプ、シリンジポンプなど医療機器の管理を行っています。MEセンターでの集中管理と病棟毎の分割管理を臨床工学技士が統括管理し、看護師・医師に負担が少なく患者さんにいつでも安全に使用できるように点検・修理・調整を行っております。
血液浄化業務では、維持透析は1日2-3件で、入院中の維持透析の患者さんへの血液透析を行なっております。また、周術期の持続緩徐式血液透析濾過やアフェレーシスも行っています。当院には透析技術認定士も在籍しており、透析装置の保守・管理や水質の管理も行っております。当院には外来透析室がありませんが、維持透析の患者さんでも安心して入院中の透析療法を受けられるように努めています。
分類 |
名称 |
保有台数 |
補助循環装置 |
IABP CS-100(GETINGE) |
4 |
PCPS SP-200(TERUMO) |
3 |
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Impella(Abiomed) |
2 |
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人工呼吸器 |
Servo-I, Servo-air(フクダ電子) |
28 |
fabian(ACUTRONIC Medical Systems) |
6 |
|
SiPAP(Vyaire Medical) |
4 |
|
Baby log(ドレーゲル) |
6 |
|
V60(Philips) |
8 |
|
アイノフロー(マリンクロット) |
7 |
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透析装置 |
ACH-∑(旭化成メディカル) |
8 |
DBB-100NX(日機装) |
2 |