実績・医療設備(国際診療)

虚血性心疾患

冠動脈疾患は高齢化が進み、さまざまな合併疾患を有する患者さんも多く、重症・複雑化しています。榊原では50名以上の循環器専門医が所属し、最新鋭の医療機器を取り入れ、難易度の高い複雑病変や、リスクの高い患者にも積極的に対応しています。また、カテーテル治療が困難と判断された場合でも、経験豊富な熟練の心臓血管外科医と連携し冠動脈バイパス術を行っています。

構造的心疾患(SHD:structural heart disease)(心臓弁膜症、先天性心疾患など)

カテーテル治療はカテーテル専門医、心臓血管外科医、麻酔科医、心エコー医がワンチームとなり連携して行っています。榊原では低侵襲による術後の生活の質を重視しており、高齢や併存症などで開胸手術が困難と判断された患者さんでも、大動脈弁狭窄症に対する経カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI:transcatheter aortic valve implantation)、僧帽弁閉鎖不全症に対する僧帽弁クリップ術(MitraClip)を中心に多くのカテーテル治療を行っています。また、弁置換、弁形成手術は4K-3D内視鏡を用いたMICS(低侵襲心臓手術)でも行っており、術後は集中治療医や理学療法士などの多職種が早期回復を支えます。
また、心房中隔欠損症、閉塞性肥大型心筋症でも積極的にカテーテル治療、外科手術に取り組んでいます。

不整脈

内科治療に加えて、カテーテルアブレーション、ペースメーカ・除細動器などの植込み機器による治療を実施しています。ペースメーカ植込み後は、遠隔診療によりモニタリングを行っています。リード抜去、カテーテルによる左心耳閉鎖術(LAAC :left atrial appendage closure)、外科的心房細動治療(MAZE手術・WOLF-OHTSUKA法)も行っています。心房細動アブレーションの約7割は、手術時間が短く患者負担の少ない、凍結アブレーション(cryoablation)で行っています。

心臓血管外科(成人・小児)

小児および成人先天性心疾患、成人開心手術、末梢血管手術など年間1,500件以上の心臓血管手術を実施しています。疼痛管理、創部ケア、メンタルケアを大切に、早期退院、術後の自立、復職など生活の質を重視しています。術前、術後を通じて、循環器内科医・心臓血管外科医のダブル主治医制により、きめ細やかな管理を行っています。
 
心臓手術後の生活の質を左右するのは、切開創の広がりと部位です。心臓弁膜症手術やバイパス手術などで、術後の傷も目立たず、出血が少なく、感染リスクも低く抑えられる4K-3D内視鏡を用いた低侵襲手術(MICS)を積極的に行っています。切開創が小さいため、術後の運動制限が少なく、早い方は術後7日間程度で退院が可能です。

小児科

新生児から成人までの先天性心疾患、小児期発症の後天性心疾患、川崎病後遺症、不整脈、心筋疾患など、循環器領域全般にわたって診療しています。

成人先天性心疾患センター(ACHDセンター)

成人先天性心疾患センターは、3名の専門医と小児科、循環器内科、心臓血管外科、産婦人科、臨床心理士、理学療法士など多職種のチームが診療します。多様なカテーテル治療を実践します。円滑な移行医療を行い、心臓病総合支援センターが社会福祉士と、両立支援コーディネーターとともに生活支援、就業・就学支援に取り組んでいます。

画像診断

心臓病や大血管疾患を正確に診断するために、診断装置とアプリケーションの更新を続けています。これらの装置を用いた診断は循環器疾患のスペシャリストである画像診断医、放射線技師、臨床検査技師が行っています。
 
2管球型CT、1.5テスラMRI、半導体検出器を用いたシンチカメラなどの放射線診断機器、多数配備された心エコー装置(経食道、3Dを含む)などによる画像情報に加え、心肺運動負荷(CPX)、睡眠時無呼吸検査などを含めた多角的な検査法を駆使して、安全、低侵襲で正確な診断を目指しています。