放射線 CT

CT では、心臓に酸素や栄養を送る冠動脈と呼ばれる血管の状態(狭窄や閉塞)や、心臓の全体像を知ることができます。また、バイパスなど手術後の経過なども調べることができます。

PCI前の冠動脈評価CT

PCI後の冠動脈評価CT

PCI施行前と後

冠動脈バイパス術後の評価CT

心臓弁膜症に対する治療法として、薬で症状を緩和し経過観察を行う保存的治療、開胸手術で心臓の弁の修復や交換を行う外科的治療、開胸せずに心臓を止めることなく、カテーテルを用いて弁を植え込むカテーテル治療という3つの治療法が選択肢となります。放射線科では、弁やその周囲の石灰化、血液循環の状態を調べて治療方法を決定するための重要な情報を提供します。また、弁の手術後の経過なども調べることができます。

経カテーテル大動脈弁植込み術(TAVI)施行前と後

大動脈疾患の診断では、①瘤/解離の範囲と位置、②血流評価、③主要分枝・周囲臓器との関係、④並存疾患の評価、⑤ステントグラフト治療の可能性評価などが必要です。

CTは、体軸方向に分解能の高いボリュームデータを短時間かつ広範囲に得ることができるので、体軸方向に広いスキャンが必要な大動脈疾患の検査に適しています。大動脈病変と分枝動脈の関係だけでなく、分枝動脈自身の評価も可能ですから、手術前シミュレーションや、インフォームドコンセントの参照画像にも有用です。

腹部大動脈瘤へのステントグラフト内挿術評価CT

大動脈解離へのステントグラフト内挿術評価CT

脱水や長時間同じ姿勢を取ることなどで脚の静脈の流れが悪くなり、血栓ができることがあります。その血栓が肺に運ばれて肺動脈を詰まらせてしまうのが肺血栓塞栓症です。CTを用いることで肺動脈内の血栓を造影欠損像として直接描出できます。さらに、デュアルエナジー撮影法を利用すると肺血流の機能情報を可視化することができます。

デュアルエナジーイメージングによる肺灌流評価CT(治療前と抗凝固薬服用後)