• 内科、麻酔科、看護師、臨床工学技士などのすべてのスタッフが協働し、24時間365日、救急要請を断らない体制をとっています。
• 年間 800件以上の開心術を実施しています。
• 高齢であっても1人1人の状態にあわせ、安心・安全かつベストな手術を行うことで、納得いただける医療を提供しています。
• 麻酔科や検査科（心臓超音波検査）・放射線科（CTやMRIなど）の専門集団に支えられ、術前の診断から術後の経過観察まで最良の治療を行っています。
• 冠動脈バイパス術では、吻合のクオリティを損なうことなく、脳合併症や腎機能への侵襲が少ないオフポンプ手術（Off-pump CABG）を原則すべての症例に行っています。
• 冠動脈バイパス術において、通常の吻合が困難と思われる高度狭窄や完全閉塞・ステント内再狭窄であっても、長い吻合口を作成するlong-only patch法や病的内膜を摘除して新たな血管内腔を作成するEndarterectomy法を用いることで確実な虚血解除を目指しております。
• 大動脈弁・僧帽弁はできる限り弁形成術に取り組み、症例数として、大動脈弁形成は年間 30例以上、僧帽弁形成は100例以上施行しています。
• マルファン症候群などで見られる大動脈弁輪拡張症に対しては自己大動脈弁を温存して大動脈基部を人工血管に置換する「自己弁温存大動脈基部置換手術」を積極的に行います。
• 閉塞性肥大型心筋症に対しては、肥大心筋の切除のみでなく、左室内異常構造物の切除を行うextended myectomyを行っています。
• 小開胸手術、部分開胸手術、小切開手術と病態と患者さんのニーズに合わせ、傷が小さく、体や心にも負担をかけない低侵襲心臓手術（MICS：Minimally Invasive Cardiac Surgery）に取り組んでいます。
• 急性大動脈解離の手術は、搬送後すみやかな手術開始、症例の容体や年齢に応じた適切な置換範囲の決定、術直後からの心臓リハビリテーション介入により早期回復を目指しております。

冠動脈が動脈硬化などの原因で狭くなったり、閉塞することで心筋に充分な血液が行かなくなる疾患です。左右の内胸動脈と大伏在静脈等を用いて、病気の血管をすべて治療する完全血行再建を行います。心筋梗塞に合併した心室中隔穿孔や左心破裂に対しても緊急で対応しております。

心臓内には、大動脈弁、僧帽弁、三尖弁、肺動脈弁の4つの弁があります。それぞれの弁には解放が制限される狭窄症とうまく閉鎖せずに逆流を生じる閉鎖不全症(時に両者が合併することもある)という病気が起こります。弁と心臓の状態に合わせて、自己弁を修復する「弁形成術」や人工弁に取り替える「弁置換術」を行います。他の心臓疾患(心房細動や先天性心疾患)を合併する場合は、1回の手術で根治を目指します。また、人工物の劣化や感染の合併のために再手術、緊急手術を必要とする場合もいつでも対応しています。

心臓からでた血液は、上行大動脈、弓部大動脈、下行大動脈、腹部大動脈と、大動脈を通って全身に運ばれます。大動脈は3層構造で強度を保っていますが、加齢や動脈硬化、先天的素因などにより血管が太くなる大動脈瘤や血管の内側に亀裂の入る大動脈解離という病気を発症します。大動脈瘤や大動脈解離を放置すると、血管が破裂したり、主要な分枝にトラブル(脳梗塞、心筋梗塞、腸管虚血、腎不全、脊髄梗塞)を生じたり、急速に致命的な状態になります。治療は人工血管で病的な血管を置換します。病気の場所により、適切な循環補助を行いながら手術を行うことで、予定された手術の成績は安定しています。しかし、緊急での手術となると死亡率も急激に増加するため、無症状であっても定期的な検査が必要となります。

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